意外と知られていない「慢性腎不全」について

意外と知られていない国民病といえば、慢性腎臓病(CKD)です。
今や1300万人もいるといわれる慢性腎臓病は8人に1人がかかっているということになります。
その慢性腎臓病と慢性腎不全(CRF)の違いとは何でしょうか?
そして慢性腎不全になったらどうなるのでしょうか?

慢性腎臓病と慢性腎不全の違いとは?

慢性腎臓病と慢性腎不全、言葉は似ているようですが、どこが違うのでしょうか。

慢性腎臓病とは、(Chronic Kidney Disease;略 CKD)とは、その名の通り、慢性の腎臓における病気や症候などを含めた全般的な「概念」を言います。簡単にいうと、腎臓の機能が低下する腎臓疾患をひとくくりにまとめたものです。

一方、慢性腎不全(Chronic renal failure;略CRF)とは、腎臓の機能が30%程度に落ちた状態をいいます。
慢性腎不全の特徴は、腎臓の機能が何年もかかって徐々に低下して起こることです。
広い意味での「慢性腎臓病」を5つのステージに分けた時の3ステージ目以降に出てくるのが「慢性腎不全」にあたります。つまり、慢性腎不全は病気の名前ではなく症状(病態)のことなのです。

2013年現在、慢性腎不全の患者さんは約30万人いると推定されており、年々増えて来ています。

慢性腎不全になるのはなぜ?症状は?どんな治療法があるの?

慢性腎臓病や進行して慢性腎不全になるのは、どうしてなのでしょうか。

そもそも慢性腎臓病になるのは、根本的な原因は不明である糸球体腎炎が主な原因でした。
しかし、1998年頃に、糖尿病性腎症が原因の1位にとって代わりました。
糖尿病性腎症は、糖尿病などの生活習慣病を放置しておくことで合併症として出てくる症状です。

糖尿病の合併症でも、慢性腎不全に至る前段階で、慢性腎臓病の軽い症状が出ます。
いわゆる腎機能の低下で、健康診断の尿検査で蛋白尿が発見されます。
しかし、これを放置しておくと、腎機能の低下が進行し、慢性腎不全に至ります。はじめは、尿の量が多い(多尿)、尿の回数が多い(頻尿)などの自覚症状が現れますが、進行するにつれて腎機能が著しく低下し、尿が作られなくなってくるので、尿量が激減してきます。
末期の慢性腎不全になると、腎移植を受けない限り治ることはなく、一生、人工透析を受けることになります。

ステージ5のいわゆる末期になる前に、多尿、頻尿などの自覚症状が出て来たら、早い段階で医師の指導のもと、薬物療法、食事療法などを開始します。
元々の糖尿病の血糖コントロールに加えて、腎臓の治療も並行することになります。
慢性腎不全が進行しても、透析療法を続ければ、すぐに命にかかわることはありませんが、糖尿病合併の人は、腎臓の糸球体の毛細血管の血圧が上がりやすいので高血圧も併発しやすくなります。
そうなると、命にかかわる心筋梗塞や脳卒中などが起こる可能性があります。

まとめ

腎臓の病気は意外と知られていないのですが、体の老廃物を排出してくれる大事な働きをする臓器です。
糖尿病や高血圧などの生活習慣病が合併するとさらに危険な状態になりやすい
ので、気をつけたいですね。